今回も亡くなった方とお話ができる方から教わったことをご紹介したいと思います。
その方:お墓参りをする時、まずはこの土地をお守り頂いているご本尊にお参りすることから始まります。その後でご自分のお墓をお参りして頂きたい。はじめて聞く方が多いと思いますが、自分のお墓だけをお参りするものではありません。普段ご近所さんにも挨拶をする様に、ご自分のお墓の2~3軒両隣にもお参りをしてください。お線香をたった2本で構いません。お供えしてください。お帰り頂くときは、ご本尊に感謝をお伝えし、水子さまや無縁さま、六地蔵さまにもお線香をお手向けください。他人さまの安寧を願うのが大切です。利他の精神。他愛です。
わたし:偶然にも私は祖母から教わりやっております。
その方:それはいいことですね。私はお墓で井戸端会議をやっている様子を見たことがあります。○○さんのあの子が怪我をしそうだから大変だ。そして■■さんのお孫さんは今度は受験だからなにかできることはないか?と
わたし:そうなんですね。本当にたいせつに思ってくれている人には守護しようと動いてくれているのですね。
その方:はい。ですから良き想念も忘れずにお送りください。お墓には「お花」と「お水」、「お線香」を忘れずに。また亡くなった方の好物がわかればそれも持参します。「お花」は亡くなられた方が現生に降りるときに腰掛けるソファです。ずっと立ちっぱなしではかわいそうでしょう。お花の香りは故人を明るい気持ちにさせる役割もあります。そして「お水」はのどの渇きを潤し、傷を癒すという役割があります。温かいお茶をお供えすることもいいと思います。鎌倉や江戸時代のご先祖さまにとって当時のお茶は高級品です。昔ながらのごはん。そうです。おむすびやおはぎが大変喜ばれます。
わたし:大変勉強になります。自然と住職から教わることが供養につながっていたのですね。
その方:そうですね。あなたたちのご先祖さまはみな仏教の教えを重んじて生きてきました。だからご住職の法事やお経を聞くと故人の御霊は癒されるのです。安心するといった方が適切かもしれません。法事を開いてくれてありがとう。わたしの事を忘れないでくれてありがとう。子孫が元気そうでうれしいよ。これも相手から送られてくる想念なのです。
生霊って聞いたことがありますか?
わたし:はい。
その方:ほんとうにありますよ。念が作り出してますから。エネルギーだと思ってください。光の速さで相手に到達します。1秒間に地球七周半のスピードです。だから汚い言葉を使ってはいけないのです。人をねたんだり、ひがんだりしてはいけません。一番近くで聞いているのは実は自分です。必ず返ってきますよ。
ですから良き想念をお送りくださいとお願いをしているのです。
これでおわかり頂いたと思いますが、仏教の教えとは人は学びがないとどこまでも傲慢になるのです。そうならない様に古くから教えが残っているのです。現代の人と昔の人は考えがズレはじめているのです。時代の流れかもしれません。しかし、かつてこの様に仏教や神道に信心をもって接してきた方々から、あなたたちは生まれてきているのです。それがご先祖さまですね。お会いしたこともないし、声も聴いたことがない。最近は自分を中心に考えるひとが増えてきているのだと思います。だからこれだけ大勢の人が私に言ってくるのです。おなかが空いた。だれも来てくれない。仏壇がきたないんだよ。これではかわいそうではありませんか?真心を込めて愛を送り続けることは1円もかからないですよね。手だけでも掌せてもらいたいものです。
墓じまいをする人が増えていますね。やっとの思いでお墓を手に入れたご先祖さまの気持ちを考えたことはありますか?当時は貴族文化の極一部の人達しかお墓を持てませんでした。やがて士農工商の時代となり、豪族が所有し、ようやく一般民衆にもお墓が持てる時代がきたのです。「我が家にも、とうとうお墓ができたんだ」と想ってお作りになった人たちがいたのです。誇らしかったでしょう。これで孫も安泰だと思ったのではないですか?それを崩す前に今一度考えてみてください。どうしようもない時もあります。苦しい時もあります。しかし、その人たちの気持ちを考えどう繋いでいくかも考えてください。もしおやりになる際は先祖の御霊に礼をつくし労をねぎらってあげてください。お墓というものは大切な方を思い出しその方と心が繋がる場所、やさしい時間を過ごす場所なのです。
お墓を掃除するときは素手でやってください。墓石は亡くなった方の身体そのものです。たわしでゴシゴシはよろしくないですね。やわらかいタオルでやさしくふきあげて下さい。
わたし:はい。お墓参りの意味。法事の意味がよくわかりました。
わたしは真の意味が少し理解できたような気が致しました。その方と出会ってもう2年が経ちます。きっかけはわたしに起こった不思議なことがきっかけです。東北のあるところまで相談に行った事が始まりでした。
供養とは、古くからの伝統を重んじつつ良き想念を送り続けること。ご先祖さまは、いつもそばで見守ってくれており、子孫繁栄を常に願っている。あなたが明るく元気に過ごし幸せだと感じている事が一番の楽しみであり喜びである。
まだまだわたしたちも勉強中の身であり未熟者ですが、ご葬儀でお手伝いさせて頂いたすべてのご家族さまがいち早く立ち直り穏やかな日々を取り戻せるようにお手伝いさせて頂くのが当社の役目なのかなと思います。
やさしい想念を送り続け、古くから伝わる教えや慣習を大切にする。現代風にしてもかまわないと思いますが軸だけはズラしてはいけないのかもしれません。